珊瑚の白化はなぜ起こる?海を守るためにできること
美しい海の象徴とも言える珊瑚礁。
エメラルドグリーンの海に色とりどりの珊瑚が広がり、そこに熱帯魚がヒラヒラと泳ぐ様子は、いつまでも眺めていたい癒しの光景ですよね。
そんな珊瑚礁が今、世界規模で減少しているのを知っていますか?珊瑚礁には多種多様な生物が生息しており、生物の住処として、またその生物を捕食する生物にとっても重要な存在。珊瑚礁が死滅することは、海の生態系にも大きなダメージを与えてしまいます。
珊瑚礁が減少する原因は色々とありますが、問題となっている一つに「珊瑚の白化現象」があります。
珊瑚の白化現象とは?なぜ白化が起こるのか?白化現象を防ぐためには?など、この記事では珊瑚の白化現象について解説していきましょう。
・珊瑚の白化とは
・珊瑚の白化を防ぐにはどうすればいい?
・海と珊瑚を守るために私たちができること
◎珊瑚について理解を深める
◎珊瑚の白化に影響を与える日焼け止めを使わない
まとめ
珊瑚礁がなくなると海はどうなる?
日本では沖縄などを中心に、主に亜熱帯の海に生息する珊瑚礁。
枝のような姿をしたものや、テーブル状のものなど、一見すると植物のように見えますが、珊瑚は、実はイソギンチャクやクラゲと同じ仲間の動物です。
珊瑚は、体内に褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンを共生させていて、この褐虫藻が光合成によって生み出すエネルギーを得て成長します。そのため、光が届く浅い海に生息し、珊瑚礁を形成しています。
こうした特徴もあって、珊瑚礁の面積は地球表面の約0.1%しかありません。しかし、そこに住む生物は9万種以上、海に生きる生物のおよそ1/4もが生息しているとも言われ、多種多様な生物を育むことから「海の熱帯林」とも呼ばれています。そんな珊瑚が減ってしまえば…自然環境に与える影響は甚大です。
珊瑚礁を住処にする生物が暮らせなくなり、その生物を捕食する生物にも影響を与え、生態系のバランスが崩れてしまうでしょう。
また、珊瑚は褐虫藻と共生しているため、動物でありながら植物のように二酸化炭素を吸収し、酸素を作り出す働きも担っています。珊瑚が作り出す酸素の量は、植物の6〜16倍と言われ、地球上の約60%の二酸化炭素濃度のコントロールも行っているんです。
さらに、珊瑚礁は豊かな漁場として産業資源になり、津波や高潮を軽減する防波堤としても機能するなど、人間の生活にとっても欠かせない存在です。
多くの生物を育み、そして私たち人間を含む多くの生命が必要とする酸素を供給してくれる珊瑚礁は、“地球の心臓”といっても過言ではないかもしれません。
地球環境を考える上で、珊瑚礁の保護・保全はとても重要な問題なのです。
珊瑚の白化とは
珊瑚礁は一度死滅すると元通りになるまでに時間がかかる、というのは聞いたことがあるかもしれません。
種類や様々な条件によっても異なりますが、珊瑚の成長スピードは1年で数センチ程度。そのため、立派な珊瑚礁を形成するには何年もの時間がかかります。
2011年に発表された「Reefs at Risk」という調査報告によると、世界の珊瑚礁の75%が危機的な状況にあるとのこと。沿岸開発や海洋汚染、生物乱獲、ハリケーンによる破壊やオニヒトデの大量発生など、珊瑚礁を脅かす要因は増加の一途を辿っています。そして、珊瑚の白化現象も深刻な衰退・死滅原因の一つ。
珊瑚の白化とは、海水温の上昇(あるいは急激な低温、紫外線、低塩分)などの環境ストレスにより、珊瑚の中にいる褐虫藻が逃げてしまい、珊瑚自体の白い骨格が透けて見え、白くなる現象のこと。
褐虫藻がいなくなっても珊瑚はしばらく生きていて、環境変化が一時的であれば珊瑚に褐虫藻が戻り回復することもあります。しかし褐虫藻がいない状態が続けば、褐虫藻による光合成エネルギーが得られないため死滅してしまいます。
そしてもう一つ、珊瑚の白化現象の一因とされているのが、日焼け止めに配合される「オキシベンゾン」「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)」という石油由来合成成分。
特に「オキシベンゾン」は環境ホルモンとして珊瑚のDNAを傷つけ、奇形を発生させて白化現象を引き起こすなど、その有害性が科学的に実証されています。そのため、ハワイやパラオでは、これらの石油由来合成成分を使った日焼け止めの使用が法律によって禁止されているのです。
珊瑚の白化を防ぐにはどうすればいい?
現在、世界中の珊瑚礁で白化現象が起こっていると言われており、特に1980年代以降、その傾向が顕著なのだそう。
最近では1997年から1998年にかけてエルニーニョ現象により全世界的に海水温が上昇し、珊瑚の大規模な白化現象が起こったとされています。
世界規模で起こっている珊瑚礁の衰退を食い止めるには、世界各国が連携し、協力することが必須。そのため、1995年に国際珊瑚礁イニシアティブという国際的パートナーシップ体制が作られました。それを受けて日本でも、環境省に国際珊瑚礁研究・モニタリングセンターが設置され、珊瑚再生のため研究や珊瑚礁のモニタリング調査、普及啓発活動などが行われています。
「世界規模のレベルだと、自分一人でできることなんてないのでは」
そんな風に感じてしまう人もいるかもしれません。しかし最近ではSDGsというキーワードも浸透してきて、今までのように開発によって資源を浪費するだけの生活を早急に見直す必要があることを、私たち一人ひとりも自分ごととして認識しなければいけない段階にきています。
では、珊瑚礁を守るために、私たちにはどんなことができるのでしょうか。
海と珊瑚を守るために私たちができること
珊瑚について理解を深める
珊瑚は、海水温が低くても高くても生きられないデリケートな生物。
しかし、その存在が生態系や環境にもたらすメリットは計り知れないほどあります。
そんな風に珊瑚の生態や、地球だけでなく私たち人間にとっても珊瑚がいかに重要かを知ることが、珊瑚を守るための第一歩になるはず。
・珊瑚が地球の二酸化炭素濃度をコントロールしている
・海に行きる生物の1/4が珊瑚礁で暮らしている
こうしたことを知っているのと知らないのとでは、日常生活の様々な局面で起こすアクションも変わってくるのではないでしょうか。
また、海で珊瑚を実際に観察するのもぜひやってほしいことの一つ。立派に成長した珊瑚礁は見るだけでも迫力があり、その美しく雄大な姿に胸を打たれますが、魚たちの住処として、隠れ家として、そして餌場として、海の生命を育む様子を実際に体感することで得られる意識の変化は大きいはずです。
意識が変われば、行動も変わります。少しずつ、小さな一歩かもしれませんが、珊瑚を守るアクションをはじめていきましょう。
珊瑚の白化に影響を与える日焼け止めを使わない
紫外線から肌を守るために塗る日焼け止めは、海でのレジャーにも欠かせないアイテムです。
この日焼け止めに入っている石油由来合成成分が、珊瑚の白化を引き起こすとされています。
珊瑚に有害とされるのは、紫外線吸収剤の「オキシベンゾン」や「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)」。これらの成分を含まない日焼け止めを使用することは、海や自然の中で遊ぶ上で最低限守りたいマナーです。
moani organicsの「UV SKIN PROTECT MILK」は、100%天然由来成分を配合した素肌と自然に優しい日焼け止め。もちろん、海洋環境や珊瑚礁に悪影響を及ぼす石油由来の成分は一切含まれていません。
その上、SPF50+、PA++++と国内最高水準の紫外線防御機能を実現。さらにウォータープルーフ機能も備えているので、水に入った途端日焼け止めの効果がなくなってしまうという心配もありません。
有機栽培のアロエベラ液汁、ホホバオイル、ココナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイルの5つの美容成分を贅沢に配合しており、ウォータープルーフの日焼け止めによくある「キシキシ感」がまったくないのも魅力。
肌につけるとすっとなじんで広がり、肌全体がみずみずしく潤う感覚は、日焼け止めというよりも美容液を塗っているような使用感。塗り心地が軽く、肌に潤いも与えてくれるのでデイリーに化粧下地として愛用するのもおすすめです。
日焼け止めは、夏だけでなく年間を通して使用することも最近では推奨されています。毎日のアクションとして環境に負荷をかけない日焼け止めを使うことは、環境保護に貢献するだけでなく、自分の生活の質を高めていくことにもつながります。
まとめ
珊瑚礁が近年、世界的に減少していること、そしてその原因の一つが「珊瑚の白化現象」であることを解説してきました。
珊瑚の白化を防ぐために、私たちにできることは数多くあるはずです。自然や珊瑚礁に優しい日焼け止めを選ぶことはもちろん、生活の中で取り組めることを少しずつでも始めてみてはいかがでしょうか。