サスティナブルなパーム油ってなんだろう?化粧品を選ぶ時の注意点は?

サスティナブルなパーム油ってなんだろう?化粧品を選ぶ時の注意点は?

日頃から環境や人にやさしい製品を選んだり、環境問題に興味のある人は、「パーム油問題」について、聞いたことがあるのではないでしょうか。

パーム油とは、パーム(アブラヤシ)の果実から採れる植物油のこと。食品をはじめ、洗剤など多くの生活用製品、そしてシャンプーなどの化粧品にも含まれる汎用性の高い油です。

それだけ多くの食品や生活用品に欠かせない原料であるパーム油ですが、栽培・生産過程において環境破壊の原因となり昨今問題視されています。この問題が難しいのは、パーム油に替わる油脂を使用しても問題が解決するどころか余計に環境負荷を増長させる恐れがあること。そのため、最近はサスティナブルなパーム油が注目を集め、様々な企業や団体が採用し始めています。

 化粧品に関しても、COSMOS ORGANIC認証の化粧品にはサスティナブルなパーム油のみが使われています。

単純に、「パーム油が入った製品を買わない、使わない」のではなく、パーム油問題を理解した上で、環境保護に貢献する行動やアクションの基準を自分で決めることが大切です。この記事ではパーム油の環境問題とその解決策や世界の取り組みについて解説していきます。

・なぜ問題なの?パーム油が環境破壊の原因となる理由

・パーム油を生産しないとどうなるのか

・サスティナブル(持続可能)な認証パーム油とは?


・「知る」ことがまず第一歩。地球に優しいアクションを目指して

 ◎まとめ  


なぜ問題なの?パーム油が環境破壊の原因となる理由

パーム油の原料となるアブラヤシは、十分に日照時間があり、高温湿潤な熱帯気候でのみ栽培が可能なため、赤道近くの熱帯の国々で栽培されています。その生産の90%を担うのが、インドネシア、マレーシア、タイの3国。

また、汎用性が高いパーム油の需要は年々伸びており、世界の人口増加と比例して今後も生産量は増加すると予想されています。

そこで問題となってくるのが、農地開発によって引き起こされる環境破壊や労働問題、気候変動への懸念。パーム油が環境破壊をもたらす問題として以下のようなことが指摘されています。

 

【1】森林の減少

アブラヤシの栽培農地を増やすために、生産国であるインドネシアやマレーシアでは森林伐採が行われ、広大な土地がアブラヤシ農園に変換されています。インドネシアのスマトラ島では、森林面積が30年前と比べて半分以下になっているそう。多様な動植物を育む熱帯雨林が、パーム油生産のために長年にわたり破壊されているのです。

 

【2】生物多様性の喪失

森林の減少は、野生生物の住処を奪い、世界でも類を見ないと言われる豊かな生態系・生物多様性に深刻な影響を及ぼします。

 

【3】泥炭地林の伐採・火災問題

生産国のインドネシアのスマトラ島やボルネオ島には、熱帯林に隣接するように泥炭地が広がっています。この泥炭地には多量の炭素が固定されており、アブラヤシ農地開発による泥炭地林の伐採や火災による農地開発で、多量の二酸化炭素が放出され、問題となっています。

 

【4】土地住民との紛争・労働者や子どもの人権侵害

アブラヤシ農園の開発は、動物のみならず、熱帯雨林を資源として働く人たちや森の中に暮らす先住民の生活もおびやかします。また、パーム油生産に関わる強制労働や児童労働などの労働問題も発生しています。

 

パーム油を生産しないとどうなるのか

汎用性が高く今後も生産量が増加することが予測されているとはいえ、これだけ問題視され、すでに環境への影響も甚大なものとなっているパーム油をこのまま生産し続けていいのでしょうか?もっと環境にやさしい形で栽培できる植物油で代替すればいいのでは?

きっと誰もがそう思うのではないでしょうか。

しかし、パーム油の代替油を見つけることが賢明な解決策とは言えないのです。

パーム油は、単位面積当たりの生産効率が良く、その割合は他の植物油と比べてもずば抜けています。例えば、1ヘクタールの土地から採れる油の量を比べると、

 

パーム油:3.8トン

菜種油:0.59トン

ヒマワリ油:0.42トン

大豆油:0.36トン

 

と、その差は圧倒的。パーム油に替わる植物油を栽培しようとすると現在よりもはるかに広大な土地が必要となり、環境への負荷は今よりも増す可能性もなくはありません。また、代替油脂となる大豆油や菜種油の栽培が持続可能である保証もなく、パーム油に替わる植物油を増産し、パーム油問題を解決することは非現実的であると言われています。

 

 

サスティナブル(持続可能)な認証パーム油とは?

パーム油問題の本質は、パーム油そのものが問題なのではなく、農地開発、労働問題などの人的被害が環境問題を引き起こしていることです。

そこで近年、パーム油生産や利用に関わる農家や企業、小売業や協会などが環境や地域社会に配慮したパーム油生産に取り組み始め、2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO= Roundtable on Sustainable Palm Oil)が発足しました。

RSPOでは持続可能なパーム油生産と利用を目指して、法令遵守、特定農薬の使用抑制、保護価値の高い森林評価、労働者の権利尊重などの7原則と40基準が定められており、これらの基準を満たしたものをサスティナブルなパーム油として認証しています。

この認証パーム油=(CSPO =Certified Sustainable Palm Oil)を利用した製品には特定のロゴマークを使用することができるため、消費者はこうした表示を頼りにサスティナブルな製品購入をすることが可能となります。  

<RSPO認証のパーム油(CSPO)のロゴマーク>

化粧品の場合、世界的なオーガニック認証基準であるCOSMOS ORGANIC認証の製品では、現在この認証パーム油(CSPO)のみが使用することが許されており、さらにグリセリンなどのパーム油由来の派生成分に対しても同じく認証パーム油以外の利用を認めていないため、COSMOS ORGANIC認証を得た化粧品を購入・使用することでパーム油に関わる環境問題に対する正しいスタンスを取ることができるでしょう。

 

moani organicsでは、どのアイテムにもパーム油は配合していません。そして一部配合されているグリセリンなどのパーム油由来の派生成分には前述のサスティナブルなパーム油(CSPO)を利用しています。各アイテムについては由来成分まで成分表示も詳細に載せていますので、ぜひご確認ください。

 

「知る」ことがまず第一歩。地球に優しいアクションを目指して

パーム油というキーワードだけで「環境破壊・地球温暖化の元凶」といった悪いイメージを持ってしまいがちですが、パーム油の栽培・生産を取り巻く問題を知ることで、パーム油が様々な製品に欠かせない油脂であること、そしてパーム油そのものは地球環境を破壊するものではないことが理解できると思います。

日本では、洗剤分野で認証パーム油の購入に取り組む企業が増えてきているそうですが、まだまだ割合としては少なく、日本での認証パーム油の普及は遅れていると言わざるを得ません。

しかし、消費者としてできることを真摯に実践することがサスティナブルなアクションへの第一歩でもあります。スーパーなどで買い物をする時は、RSPOのロゴマークのある製品を意識的に購入したり、愛用している生活用品の成分をウェブサイトで調べてみるなど、できるところから認証パーム油(CSPO)を支持し、持続可能な社会作りに参画しましょう。

 

まとめ

パーム油問題の原因や解決策、サスティナブルなパーム油のための取り組みについて解説しました。

テレビなどでもSDGsが取り上げられ、環境問題は以前にも増して切実かつ身近になってきています。パーム油に関しても、持続可能な社会作りを目指して「責任ある購入・消費」を実践していきましょう。