【オーガニック認証】を取得している化粧品とは?普通のオーガニックコスメとの違いは?
皆さんは、化粧品の製品やパッケージに付いている「オーガニック認証」のマークを見かけたことはありますか?
オーガニック認証を取得していると、化粧品のパッケージなどに
その認証のマークを付けることが出来ますが、
全てのオーガニック化粧品にその認証マークがついているとは限りません。
実際にオーガニックの化粧品を選ぶとき、”認証マーク”がついているもの”と、”ついていないもの”がバラバラと商品棚に並べてあって、どれを選べば良いのかわからない!なんて経験をした人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、オーガニック認証マークがついている意味や、オーガニック認証化粧品を選ぶ魅力についてご紹介したいと思います。
オーガニック認証とは?
オーガニック認証を選ぶ理由
◎環境への配慮
◎信頼できるオーガニック成分
オーガニック認証の種類
まとめ
オーガニック認証とは
そもそも、オーガニック認証とは一体どのような認証か知っていますか?
化粧品におけるオーガニック認証とは、”オーガニック製品であること”を認められた証明になります。
そのオーガニック製品とは「有機栽培された植物由来の原料を使って作られた化粧品であること」を指します。
このようなオーガニック化粧品を、中立な立場の第三者認証機関によって、厳しく決められた基準に従って審査され、その審査で認められたものが”オーガニック認証化粧品と謳うことができ、「認証マーク」を付けることを許されています。
しかし、普段化粧品コーナーに並べてある”オーガニック化粧品”を見てみると、全ての商品にオーガニック認証のマークが付いているわけではありませんよね。
オーガニック認証は必ず取得しなければならない認証ではありませんので、
認証を取得しているものとしていないものが混在しているのが現状です。
それではなぜ、オーガニック認証が必要なのでしょうか?
オーガニック認証化粧品を選ぶ理由
オーガニック化粧品は、”植物由来の製品でつくられた肌に優しい化粧品”という認識を持っている方も多いかもしれません。しかし、それだけではありません。
環境への配慮
オーガニック認証機関が定める基準には、”植物を育てる土の栽培から、製造の過程で過剰な廃棄物を排出していないか、環境に悪影響がないか、動物実験はしていないか”など、製品だけでなく製品が完成されるまでのプロセスも全て審査されています。(※認証機関の定める基準によって内容は異なります)
例えば、下記で紹介するエコサート認証ではパッケージも環境に悪影響を与えない、”生分解できるもの”や”リサイクル可能な素材を使っているか”など、も審査の対象です。
信頼できるオーガニック成分
もちろん、オーガニック認証は、品質においても安全であることが証明される一つの指標になります。
日本には、オーガニックの定義というものがありません。
極端に言ってしまえば、化粧品に含む全成分の中で1%でもオーガニック成分が入っていればオーガニック化粧品であると提言出来てしまう現状。
だからこそ、オーガニック化粧品に含んでいる成分をしっかりと見極めることが大切です。
とはいっても、オーガニック化粧品を選ぶとき、全成分を一つずつ確認し比較する、なんてことはなかなか難しいのではないでしょうか。
また、成分表記だけでは判断が難しいものもたくさんあります。
例えば、「プロパンジオール」という保湿・防腐剤として使用される成分。
この成分は石油から作ることもあれば、現在ではトウモロコシなどの植物から作ることも可能です。しかし、製品の成分表には石油由来か、植物由来なのか記載はありません。
どのような環境で栽培されたのか、農薬はどんなものを使ったのか、遺伝子組み換えではないのか、店頭で製品だけ見ても分からない情報がたくさんあります。
そんなとき、オーガニック認証のマークがついていれば一目でどんな基準を基に作られているか判断することができますよね。
このように、認証マークがついていると製品の品質や、
製造のプロセスまでもしっかりと定められた基準に従って作られている
ことを確認することが出来るんです。
この認証についてさらに細かくいうと、
認証マークは1つだけではなく、様々な種類が存在します。
次にその種類についてご紹介したいと思います。
オーガニック認証の種類
初めに、オーガニック認証とは中立な“第三者機関によって審査されていると言いましたが、この第三者機関は各国に存在しています。
各機関によって基準も僅かに異なっているため、しっかりと認証機関を調べることが大切です。
簡単に、いくつか認証機関のご紹介をします。
ECOCERT認証
1991年に農学者の団体によって設立された、フランスのトゥールズに本部を置く世界最大規模のオーガニック認証団体です。2003年には世界で初めて化粧品認証基準を確立し、オーガニック化粧品認証の世界シェア75%以上も占めている認証団体です。
ヨーロッパには、ECOCERT以外にも複数の大きな認証機関がありました。
しかし、消費者にとっては複数の認証機関があると戸惑ってしまいますよね。
そこで、消費者の混乱を解消して統一の基準で認証するように、「COSMOS基準」という統一基準が定められました。
COSMOS基準
2010年に、ヨーロッパの5つの認証団体、「フランス:ECOCERT・COSMEBIO/ドイツ:BDIH/イギリス:Soil Association/イタリア:ICEA」が合同で、2003年1月版のECOCERT認証を土台にして定めた統一基準です。
現在では加盟メンバーも追加され、世界最大規模の認証団体とされています。
COSMOS認証には、「COSMOS ORGANIC」と「COSMOS NATURAL」の2種類のレベルの認定基準があります。
この2種類のうち、COSMOS ORGANICはより厳しい基準の内容となっています。
その基準の一部をご紹介します。
【COSMOS ORGANIC基準】(一部)
■ 完成品の20%以上はオーガニック原料であること(洗い流すリンス製品などは10%以上)
■ 農産物原料の95%以上はオーガニック原料であること
■ 農産物原料以外の成分の使用は内容量の5%以下であること
■ すべてCOSMOS基準が定める原料を使用すること
■ 生きている動物や解体された動物から抽出する一次原料の使用と動物実験の禁止
■ 汚染を防ぐため、非認証品と異なる製造工程で生産を行わなければならない
■ 包装に、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化プラスチック、ポリスチレンの使用禁止
■ すべての製造プロセス、生産から生じる廃棄物に対処する環境管理計画を導入すること
■ 段ボール、ガラス、紙、他すべての廃棄物を分別し、その廃棄物を再利用すること
■ すべての廃棄物はリサイクル不可能物を扱う専門会社へ送ること
製品の完成後も、各認定事業者は(製品の販売者)は年に1回、製造者(製造している工場)は年2回の監査があり、基準を守っていることを厳しくチェックされています。
USDA
アメリカの農務省の略称でもあり、アメリカ政府機関によって認定されたオーガニック認証です。この認証は日本のオーガニック食品に対して定められた「有機JAS」と同じように、農産物や食品を対象とした基準です。アメリカではオーガニックコスメの基準が確立されていないため、化粧品にたいしてもUSDAが採用されます。
1.100%organics:100%有機栽培からなる原料で製造された製品2.organic:全成分の95-99%が有機栽培からなる原料で製造された製品
3.Made with Organic Ingredients:全成分の70-94%が有機栽培からなる原料で製造された製品
3段階の認証を定めており、「USDA organic」マークは1と2しか貼付してはいけないと、より消費者にわかりやすく分類されています。
Natrue
2008年にヨーロッパの化粧品メーカーが設立した認証団体です。ネイトゥルーでは合成成分は不必要であると考え、製品の安全を消費者に分かりやすくするため、原料の配合率で★の数を指標に3つのレベルに分ける分類をしています。
★★★3つ:全成分の95%以上が自然原料→オーガニック化粧品
★★2つ:全成分の70-95%未満が自然原料→オーガニック原料を含む自然化粧品
★1つ:全成分の70%未満→自然化粧品
今回はほんの一部の認証機関について簡単にご紹介しました。
オーガニック認証は、世界中で一つの基準が統一されているわけではありません。
だからこそ、化粧品を選ぶ側に立つ方々は、各認証機関の考えや、認証を取得している化粧品の背景、ブランドの考えを理解することが大切です。
最後に
ここまで、オーガニック認証についてご紹介させていただきました。
たくさんのオーガニック化粧品が存在するなかで、
日本では化粧品においてオーガニックの定義がないからこそ、
オーガニック化粧品を選ぶときに認証マークがひとつの指標になると思います。
もしオーガニック化粧品でどれを選んだら良いかわからない!と悩んでいる人がいたら、”認証マークがついているか”も選択肢の一つに入れてみるのも良いかもしれません。